主人公「はぁ～」
主人公「今日もクレーム…昨日も、その前もクレーム…この会社はクレーム会社なのか！？」
主人公「会社も何も改善しようとしないし…それじゃダメだろ…」
主人公「人の役に立つ仕事がしたいと思って、この会社に入ったのに、人の役に立つ所か嫌な気分にしかさせてないじゃないか」
主人公「職場の人間関係も最悪だし…」
主人公「そりゃそうだよな…。お客様にクレームばかり貰って、改善すらしない会社の人間関係が良い訳ないか」
主人公「そろそろ潮時かも」
主人公「どこか良い会社ないかな～」
主人公「人の役に立つ仕事～っと…ん？」
主人公「へぇ…今って多能工って仕事があるのか。色んな仕事出来るし、すっげー万能な仕事じゃん！」
主人公「この多能工って仕事良いかも！求人出てないか調べてみるか！」
主人公「お！あったあった！ヨシダ工業株式会社って言う所・・ここいいじゃん！」
主人公「へぇ…鉄道関係に関わる土木補修工事をしている会社なのか」
主人公「これなら…これなら今度こそ人の役に立つ仕事が出来るかもしれない！」
主人公「佐々木です。本日はよろしくお願いします！」
代表「よろしくお願いします。早速だけど色々聞かせてもらおうかな」
代表「うちは鉄道に関する専門的な工事をメインでやっているんだ」
主人公「はい！ホームページを拝見させていただきました！」
代表「おお、そうかそうか！」
主人公「あの、自分みたいな未経験でも大丈夫でしょうか？」
代表「問題ないよ。未経験の状態からスタートしている職人もいっぱいいる。専門的な知識を持たない人が安心して現場に馴染めるように、基礎から丁寧に指導するから、安心してもらって大丈夫だよ」
主人公「はい、ありがとうございます！」
代表「鉄道の安全運行を支えるのは我々の重大な使命だ。だから佐々木君も一緒に頑張っていきましょう！」
主人公「はいっ！！」
先輩社員①「じゃあ今日も昨日に引き続き、駅各所の補修工事を行っていくので、安全作業でお願いします」
みんな「「「はい」」」
主人公「凄い…いつも使っているホームがこんな感じで工事されているなんて、知らなかった…」
先輩社員①「俺達がやっているこの作業は、時間がかなり大事になってくる」
主人公「あ、黒部さん！」
先輩社員①「なにせ、終電後から始発までの間に作業を終わらせて仕上げなきゃいけないんだからな」
主人公「なるほど…」
先輩社員①「仕事の内容はこれだけじゃない。ホームドアの基礎工事とか、駅の白線を引く工事、トンネルの剥がれの補修、線路脇の木の伐採、駅の建物関係の基礎工事…鉄道に関するあらゆる工事をしているんだ」
主人公「そんなに色んな事を…」
先輩社員①「どの作業も大事な仕事だ。だから佐々木も、少しでも早く仕事を覚えて、頑張ろうな！」
主人公「はい！！」
主人公「はい！ヨシダ工業株式会社 佐々木です！」
駅員『すみません！天井から水漏れしているようで…至急来てもらえませんか！？』
主人公「分かりました！すぐに向かいます！！」
主人公「これで水漏れは大丈夫です」
駅員「凄く助かりました…！いつも本当にありがとうございます！」
主人公「いえいえ！今後ともよろしくお願いします！」
主人公「これこそ俺がやりたかった本当の『人の役に立つ仕事』だ！」